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板金加工のメリットとデメリットとは?発注前に知っておきたいポイント

プレス

製造業において、金属製品の加工方法を選択する際、板金加工とプレス加工のどちらが適しているか迷われる方も多いのではないでしょうか。70年にわたり金型製作からプレス加工まで一貫して手がけてきた深江工作所が、板金加工の特徴を詳しく解説し、発注前に押さえておくべきポイントをお伝えします。

板金加工とは?基本的な仕組み

板金加工は、金属板材を切断・曲げ・穴あけ・溶接などの工程で加工し、目的の形状に仕上げる技術です。NCタレットパンチプレスやレーザー切断機、プレスブレーキなどを使用し、比較的薄い金属板(0.5mm~6mm程度)を主に扱います。

深江工作所では、中間工場にNCタレットパンチプレスを設置し、精密な穴あけ加工と複雑な切り抜き加工を得意としています。

板金加工の5つのメリット

1. 初期費用を抑えられる

金型が不要なため、初期投資を大幅に削減
プレス加工と違い、専用の金型を製作する必要がありません。そのため、数十万円から数百万円かかる金型費用が不要となり、初期コストを抑えて製品開発を進められます。

2. 短納期での対応が可能

設計から完成まで最短1週間程度
金型製作期間(通常1~3ヶ月)が不要なため、設計完了後すぐに加工開始できます。試作品や急ぎの案件には最適な選択肢です。

3. 設計変更への柔軟性

プログラム変更のみで形状修正が可能
NCプログラムの修正だけで設計変更に対応できるため、開発段階での仕様変更や改良にも迅速に対応できます。

4. 多品種少量生産に最適

1個から数百個まで効率的に生産
金型費用がかからないため、少量生産でも単価を抑えられます。特注品や多品種展開する製品に向いています。

5. 複雑な形状も実現可能

3次元的な曲げ加工や複合形状にも対応
プレスブレーキによる段階的な曲げ加工により、複雑な立体形状も製作できます。

板金加工の4つのデメリット

1. 大量生産時のコスト増

数千個以上では単価が割高に
1個あたりの加工時間がかかるため、大量生産では金型を使用するプレス加工の方がコストメリットが出ます。一般的に1,000個を超える場合は、プレス加工との比較検討が必要です。

2. 加工精度の限界

±0.1mm程度が精度限界
NCタレットパンチプレスでも、プレス加工のサブミクロン精度(±0.01mm以下)には及びません。高精度が求められる部品には不向きです。

3. 材料厚みの制約

6mm以上の厚板加工が困難
設備能力により加工できる板厚に制約があります。厚板や高強度材にはプレス加工や切削加工が適しています。

4. 単価の変動が大きい

少量生産向けのため単価が高止まりする場合も
試作や多品種少量生産には向いていますが、数量が増えると単価が割高になり、コスト面で不利になることがあります。

プレス加工との使い分け判断基準

深江工作所では、お客様の要求に応じて最適な加工方法をご提案しています。

項目 板金加工が適している プレス加工が適している
数量 1~500個程度 1,000個以上
納期 急ぎ(1~2週間以内) 1~3ヶ月の余裕がある
精度要求 ±0.1mm程度で十分 ±0.01mm以下の高精度
形状 複雑な3次元形状 2次元的な平面形状が中心
開発段階 設計変更の可能性が高い 仕様が確定している

発注前のチェックポイント

  1. 生産数量の見極め

    年間予想数量を正確に把握し、ライフサイクル全体でのコスト比較を行いましょう。初期は板金加工、量産化後はプレス加工への切り替えも有効な戦略です。

  2. 要求精度の明確化

    図面上の公差を確認し、板金加工の精度範囲内で製品要求を満たせるか検証が必要です。

  3. 材質・板厚の確認

    使用材料が板金加工設備で対応可能か、事前に加工業者への確認が重要です。

  4. 後工程の考慮

    塗装・メッキ・組立などの後工程も含めた総合的な検討が必要です。深江工作所では、カチオン電着塗装まで一貫対応可能です。

まとめ

板金加工は、初期費用を抑えて短納期で製品化できる優れた加工方法ですが、大量生産や高精度要求には向きません。重要なのは、製品の要求仕様と生産計画に応じて最適な加工方法を選択することです。

深江工作所では、板金加工からプレス加工、金型製作まで幅広く対応し、お客様の製品開発段階に応じた最適なソリューションをご提案いたします。加工方法選択でお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。

事例紹介

過去には、開発初期の試作段階では板金加工でスピーディーに対応し、その後の量産フェーズでプレス加工に移行することで、コスト削減と品質安定を実現した事例もございます。
こうした段階的なアプローチは、開発期間の短縮や市場投入のスピードアップにも大きく貢献します。

深江工作所の強み

  • 板金・プレスの両工法を熟知しているため、数量や精度、納期に応じた最適な提案が可能
  • 試作から量産まで一貫対応
  • 表面処理や組立までトータルサポート
  • 設計変更や追加要望にも柔軟に対応

お問い合わせ

「この製品は板金加工とプレス加工どちらが適しているのか?」
「初期コストを抑えながら将来の量産も見据えたい」
そんなお悩みに対して、最適な加工方法をご提案いたします。お気軽にお問い合わせください。

 

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昭和21年9月、モノづくりのまち北九州に生まれ、モーターコアの金型製作から、私たちFUKAEの物語は始まりました。
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